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馬頭琴(モリンホール)はモンゴル地方に伝わる代表的な楽器です。
楽器の上のところに馬の頭の形をした飾りがついているのでこのように呼ばれています。
弾くときは,両足の間に楽器の箱の部分を挟んでチェロのように弦を弓でこすって音を出します。
モンゴル地方には,馬頭琴がどのようにできたかという言い伝えがたくさんあるそうです。 日本で有名なのは小学校2年生の教科書にのっている「スーホの白い馬」のお話でしょう。この話は内モンゴル地方に伝わる言い伝えの一つを元にしているようです。 チョーカ さんに外モンゴル地方に伝わるそんな言い伝えの一つを教えてもらいました。
「ジョノバ」という馬の話
広いモンゴルの大地の東の端のほうにある若者が住んでおりました。
ある日,若者は兵隊に行くことになり,はるか西へ旅に出ました。 若者はそこで美しい娘と知り合いました。そして二人は恋に落ちました。 月日は過ぎ,やがて若者は東の故郷に帰る時がきました。
娘は悲しみました。そして別れるときに若者に一頭の馬を渡しました。
「この馬は夜になると羽を広げ天を翔け一夜に何千里を走ることができます。 どうか故郷に帰ってからもこの馬に乗って私に会いに来てください。」
その馬の名前が「ジョノバ」です。
若者は故郷に帰ってからも娘に言われたように夜になるとジョノバに乗り娘に会いに行きました。
そんな若者とジョノバのことを近くに住む男が不審に思いました。
その男はある夜なにがあるのか調べようと思い若者のところに行きしのび込みました。そこにジョノバがいました。
ジョノバは男がきたとき自分の主人が来たものと勘違いし飛び立とうと羽を広げました。男はびっくりしました。しかし同時に意地悪な気持ちを起こしました。男はジョノバの羽をはさみで切ってしまいました。
そんなこととは知らず,若者はこの夜もジョノバに乗り出かけようとしました。
ジョノバも羽を広げいつものように空に上りました。
しかしその羽ははさみで切られぼろぼろになった羽です。ジョノバはすぐに疲れてしまい,空から落ちてしまいました。そして死んでしまいました。
若者は悲しみました。そして,ジョノバの皮をはり,頭の形を木でほり,楽器を作りました。そうしてできたのが馬頭琴です。
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